« ■たのしいけれどだめぽなのです。 | メイン | ■考えていたことのメモ »

joulukuu 07, 2004

■柴崎友香『きょうのできごと』を読んで。

何を言っているのかわからない文章があったとして、それはもともと文章が整頓されていないか、そもそも言わんとするところの内容がわからないかのどちらかのようだ。『ジョゼと虎と魚たち』の映画を観たときに『きょうのできごと』も近いうちに上映すると知ったのだけど、あらかじめチケットを買っておいたのが引越のドタバタでどこかに行ってしまって、気がついたら見ないまま上映が終わっていた。こうやって見なかった映画は何本目だろう、くやしいなあ、と思いながら本屋にいたら原作を見つけた。新しい仕事を始めてから読書もろくにできていなくて、やっぱりいっぺんにいくつものことをするのは苦手なのかなあとか悩み始めたらますます時間がなくなっていた。でも買ったのはこのときだった。別の機会で本屋にいたときに、一緒にいた女の子が買ったのはこの本だった。かっこつけて「おもしろかった」とか見栄を張ってみたけれど、実は目次も読まないまま、枕もとに積み上げてある砦の建材になっていた。その子にすすめられた本の作家の名前が思い出せなくて、メールや電話で聞けばいいけど聞くのもちょっとくやしかったので、思い出して読み始めたのが『きょうのできごと』だった。

途中まで読んで、あーあるよなあこういう青春みたいなの、くらいにしか思っていなかったけれど、目次を見直したら保坂和志が解説をしていて、視点の運動の緻密さ、つまりは機微を誉めていた。このひとは世界を濃密に感じられるんだななんて早合点してものわかりのいいフリをするのはぼくの悪いくせではあるけれど、それからじっくり読み返してみたら俄然おもしろいのでした。風景がいきいきしてるのはところどころの描写に体温がひそんでいるからだろう。

ただずっと読んでるとあーどーでもいいとか思いながら焦ってて、なんでこゆ本を読むんだろうとか思った。ものごとをできるだけ合理的に考えてざくざく進めるほうが得意な僕としては、まどろっこしくて仕方ない。居心地の悪さすら感じてしまう。やはりぼくは平凡な日常とかふとしたリリカルとかを他の人ほど感じない大味な人間なのかとか、それが嫌だからこういう本を読むのかとか、そんなことばかり考えてるからほんとはよくないんだろうな、と思いました。

以上、おなかをこわして会社を休んだぼくの、きょうのできごとでした。

c6,r56p,k0%

▼5人50色。▼うす味のまいにちも、わるくない。▼なめらかな生活。▼実のつまった野菜みたいな日でした。▼身の丈、おぼえてますか▼いつものことは、きょうだけのこと。▼

投稿者 shoshirock : 07.12.04 03:17

コメント

Hi!Nice site! cheap tickets air india,[url=http://cheap-tickets-sipler.blogspot.com]cheap tickets air india[/url]

投稿者 Andrew23 : 11.05.06 00:30

コメントしてください




保存しますか?